ChatGPTで議事録を作るなら、文字起こしやメモを渡して決定事項・未決事項・担当者・期限を指定し、最後に元データと照合するのが基本です。AIには整理を任せ、重要な事実の確認は人が行いましょう。
ChatGPTで議事録を作る基本手順
会議後の議事録作成は、録音やメモを見返しながら、発言内容、決定事項、担当者、期限を整理する必要があります。会議の時間が長く、参加者が多いほど、重要な発言を拾い出して読みやすい文章にまとめる作業には時間がかかります。ChatGPTを使えば、会議の文字起こしや箇条書きのメモから、共有用の議事録のたたき台を短時間で作成できます。
特に、話題ごとの分類、似た内容の発言の統合、決定事項と未決事項の整理、ToDoの一覧化は、AIが得意とする作業です。議事録を作る担当者は、ゼロから文章を書くのではなく、生成された内容を確認して完成させる役割に集中できます。
ただし、文字起こしを貼り付けて「議事録にして」と頼むだけでは不十分です。決定事項と意見が混ざったり、曖昧な発言をAIが推測で補ったりする場合があります。ChatGPTには整理を任せ、事実確認は人が行う。この役割分担が安全で実用的です。最終的な責任は、会議の内容を把握している担当者が持つようにしましょう。
初心者向けの基本手順は5ステップ
- 会議の録音、メモ、文字起こしを用意する
- 会議の目的と参加者を整理する
- 出力項目を指定してChatGPTに入力する
- 生成された議事録を読みやすく整える
- 元データと照合してから共有する
最初から完成版を作らせるより、まず情報を漏れなく整理し、次に読み手に合わせて短くするほうが失敗しにくくなります。たとえば、最初の出力では発言の背景や議論の経緯も残し、その後に「経営層向けに200字で要約」「実行担当者向けにToDoだけ抽出」と指示します。段階を分けることで、要約の途中で重要な条件が消えるリスクを抑えられます。
STEP1:メモや文字起こしを準備する
ChatGPTに渡す材料は、きれいな文章でなくても問題ありません。会話形式の文字起こし、箇条書き、手書きメモを入力したテキストでも利用できます。音声から文字起こしを作る場合は、利用しているツールの認識精度も確認しましょう。固有名詞、商品名、専門用語、数字は誤変換されやすいため、可能なら元の資料や参加者のメモも一緒に用意します。
議事録以外にも、ChatGPTはメールの下書きや文章整理に活用できます。仕事での具体的な使い方を知りたい場合は、ChatGPTでメール返信を作る方法も参考にしてください。
たとえば、次のような情報です。
- Aさん:新商品の公開日は来月10日を希望
- Bさん:デザインは来週水曜までに提出可能
- 田中さん:広告費は50万円以内にしたい
- 佐藤さん:ランディングページの修正を担当する
この段階で文章を完璧に整える必要はありません。人が先に要約すると、議事録作成の負担が増えるだけでなく、発言のニュアンスを落とすこともあります。ただし、誰の発言か分からない箇所や、聞き取りにくい箇所は削除せず、「発言者不明」「音声不明」などの印を付けて残してください。後から確認するための手がかりになります。
会議名、開催日、参加者、議題、使用した資料も、冒頭にまとめておくと便利です。これらの基本情報があると、同じ言葉が複数の意味を持つ場合でも、ChatGPTが内容を分類しやすくなります。
STEP2:会議の背景と出力形式を伝える
「議事録にして」だけでは、何を重視すべきかAIに伝わりません。会議の目的、参加者、読み手、必要な項目を具体的に指定しましょう。特に「決定事項」「未決事項」「担当者」「期限」を分けると、業務で使いやすい形になります。
さらに、事実と解釈を区別する指示も重要です。「決定」「提案」「懸念」「質問」「保留」のように発言の状態を分類させると、後から確認しやすくなります。会議で結論が出ていない場合に、文章の流れだけを見てAIが決定事項にしてしまうのを防ぐためです。
そのまま使えるプロンプト
以下は会議の文字起こしです。社内共有用の議事録に整理してください。
構成は、1.会議の目的、2.決定事項、3.主な議論、4.未決事項・確認点、5.担当者と期限、6.次回までにやること、の順にしてください。各項目は箇条書きで、内容がない項目には「該当なし」と記載してください。
発言にない情報は推測で追加しないでください。担当者が不明な場合は「担当者未定」、期限が不明な場合は「期限未定」と記載してください。聞き取りづらい部分は「要確認」としてください。「検討する」と「決定した」を区別し、重複する発言は整理してください。金額、日付、数量、固有名詞は原文を優先し、判断に迷う場合は変更しないでください。
【会議名】
ここに会議名を入力
【開催日】
ここに日付を入力
【会議の目的】
ここに目的を入力
【参加者】
ここに参加者を入力
【読み手】
ここに想定読者を入力
【文字起こし】
ここに貼り付ける
推測禁止の条件を入れることが、このプロンプトの要点です。議事録では、自然な文章よりも、実際に何が決まったかを正確に残すことが優先されます。出力後に「決定事項として分類した各項目について、根拠となる発言を短く示してください」と追加で依頼するのも効果的です。根拠を確認できれば、単なる意見が決定事項に変わっていないか判断しやすくなります。
STEP3:長い会議は分割して処理する
1時間を超える会議や参加者の多い会議では、文字起こしが長くなります。一度に入力しにくい場合は、前半・後半、または議題ごとに分けてください。分割する際は、各部分に「全体のうち第1部」「議題2に関する発言」といったラベルを付けると、後で統合しやすくなります。
前半を整理した後、後半を同じ形式で処理し、最後に「2つの内容を統合し、重複を削除してください」と依頼します。分割するたびに「新商品の発売準備に関する会議です」のような前提も伝えると、話題のつながりを保ちやすくなります。議題ごとに処理する場合は、議題1で決まった内容が議題3の前提になっていないか、統合時に確認してください。
会議全体の要約を最後に作るときは、個別の文字起こしを再度すべて貼り付けるのではなく、各パートの整理結果を入力する方法もあります。ただし、要約結果だけを使うと細かな条件が失われる可能性があるため、金額や契約条件など重要な情報は原文と照合しましょう。
STEP4:用途に合わせて議事録を整える
同じ会議でも、共有先によって適切な形式は変わります。参加者向けなら議論の経緯をある程度残し、欠席者向けなら背景と結論を補足します。上司への報告では、冒頭に結論、影響、判断が必要な点を置くと読みやすくなります。プロジェクト管理用なら、担当者、期限、状態を表形式で整理すると、進捗確認に利用できます。
議事録作成後にほかの業務もAIで効率化したいなら、AIを仕事で使う方法も確認してみてください。
たとえば、次のような追加指示が使えます。
- 「会議に参加していない社員が1分で理解できるよう、結論を先にして要約してください」
- 「決定事項とToDoだけを抽出し、担当者、期限、状況の表にしてください」
- 「専門用語には短い説明を付け、社外共有しても問題のない表現にしてください」
- 「原文にない評価や感情的な表現を加えず、簡潔なビジネス文書にしてください」
ただし、読みやすくするために表現を変える場合でも、責任の所在や期限を曖昧にしないことが大切です。文体の調整と、内容の変更は別の作業として扱いましょう。
生成後に必ず確認する4項目
ChatGPTの出力は、そのまま共有しないでください。元のメモや文字起こしと照らし合わせ、次の情報を重点的に確認します。
- 金額や数量が正しいか
- 日付、納期、公開日を取り違えていないか
- 担当者が実際の発言どおりになっているか
- 決定事項と単なる意見が混ざっていないか
「A案を検討する」と「A案で進める」、「来週ごろ」と「来週水曜」のような違いは、文章を整える過程で曖昧になることがあります。契約条件、顧客情報、個人名なども人が確認してください。特に、否定表現や条件付きの合意は見落とされやすい項目です。「予算内なら実施する」「法務確認が取れれば公開する」といった条件が削られていないかも確認しましょう。
確認作業では、まず数字と固有名詞をチェックし、次に決定事項とToDoを確認すると効率的です。最後に、議事録だけを読んだ人が「誰が、何を、いつまでに行うのか」を理解できるか確認します。不明点が残る場合は、共有前に発言者へ問い合わせ、議事録上にも修正履歴を残すと安全です。
よくある失敗と改善策
指示が短すぎる
出力項目が指定されていないと、重要なToDoが本文に埋もれます。決定事項、未決事項、担当者、期限を分けるよう依頼しましょう。読み手と文字量も指定すれば、長すぎる説明や不足した要約を防げます。
AIに担当者や期限を推測させる
「営業部が担当しそう」「来週くらい」といった曖昧な情報を、具体的な名前や日付に変換させるのは危険です。不明なものは不明なまま残します。必要であれば、議事録の公開後に担当者自身が記入する運用にしましょう。
個人情報や社外秘情報を無確認で入力する
社内規程や利用中のサービスの設定を確認し、入力してよい情報だけを使ってください。必要に応じて、氏名や顧客名を仮名に置き換える方法もあります。住所、連絡先、認証情報、未公開の契約内容などは、業務上のルールを確認せず入力しないでください。匿名化する場合も、組み合わせによって個人が特定されないか注意が必要です。
議事録を作って終わりにする
議事録は保存するだけでなく、実行に結び付ける必要があります。共有後に担当者がToDoを確認し、タスク管理ツールやカレンダーへ登録すると、決定事項が実際の行動に反映されます。次回会議では、前回の未完了タスクを確認する時間を設けると、議事録の効果を高められます。
用途別に2段階で仕上げる
最初は情報を省かず整理し、その後で「会議に参加していない社員が1分で読める形式にしてください」と依頼すると、重要事項を落としにくくなります。チーム共有なら箇条書き、上司への報告なら結論を先頭に置くなど、読み手に合わせて形式を変えましょう。
おすすめは、詳細版、共有版、タスク一覧の3種類を使い分ける方法です。詳細版には議論の背景や確認事項を残し、共有版には決定事項と影響をまとめます。タスク一覧には担当者、期限、優先度、進捗だけを記載します。元の情報を保管したうえで用途ごとに加工すれば、後から経緯を確認したい場合にも対応できます。
まずは次回の会議で試す
文字起こしを用意し、今回のプロンプトで「決定事項」と「次にやること」を整理してください。ChatGPTには整理を任せ、数字・日付・担当者だけは必ず人が確認する。この流れが、正確で使いやすい議事録への近道です。最初から完璧な自動化を目指すのではなく、まずは一つの定例会議で試し、出力形式や確認手順をチームに合わせて改善していきましょう。

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